4月8日(土)入学式の日の一コマ・・・

公開日 2017年04月08日(Sat)

 
 

 入学式の後,体育館の式場撤去に入ったとき,保護者の方が一人保護者席から5,6メートル離れた体育館の入口近くに座っておられるのに気が付きました。新入生の1回目のLHRが始まるのですが,お父様だけが教室へ行き,足が不自由なお母様はここにいていいかと言われます。1時間以上体育館の隅で待機するのは余りにもお気の毒に思われたので,体育教官室へ案内いたしました。お父様がお母様を支えられて,20メートルほど移動していただきました。

 お母様は,12年ほど前に事故で脳挫傷を患い,左半身が不随となり4年ほど入院されたそうです。それから自宅での生活が8年ほど続き,洗濯や掃除などある程度できるようになられたということです。お母様は看護師をしておられましたが,その仕事もできなくなり,不自由なきっと大変な生活を送ってこられました。それなのに,自分の生命を助けてくださった主治医の先生やずっと支えてきてくださったご主人,まめに手伝いをしてくれる娘さん,全ての人に感謝の言葉を述べられます。左半身が不随なので,最初は言葉を聞き取るのに少々苦労しました。でも,必死になって,でもにこやかにお話されるその姿に,深い感動を覚えました。途中から涙を抑えきれなくなりました。このままでは号泣してしまうそう思ったカメラマンはお母様を置いてしばらくその場を離れました。入学式関連の報告をいろいろ済ませた後,気になってもう一度体育教官室を訪ねました。お母様は熱心に岸尾先生とお話しされていました。先ほどの身の上話を岸尾先生にもされたのでしょう。岸尾先生がお母様のことを教えてくださいます。お母様は終始にこやかな表情でした。

 人生には様々な物語があります。その物語を魅力あるものにするのは,その人の人柄であろうと思われます。人間性と言ってもいいかもしれません。金メダリストがよく周囲の人に対する感謝の言葉を述べます。周囲の人に感謝するその姿勢が,まさに金メダル級の生き方と言えるのでしょう。平成29年の始まりの日に,大切なものをいただいたような気がします。

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