2月3日(土)節分・・・

公開日 2018年02月03日(Sat)

 2月3日(土)は立春の前日で節分です。1年前のブログでも触れたように,本来は,立春,立夏,立秋,立冬の前日を全て節分と言うべきなのだそうですが,今日では専ら立春の前日のみを節分と言うようです。明日から冬に別れを告げて春の始まりと言うように季節を分ける日ということです,暦の上での話ですけど・・・。節分の豆撒きや恵方巻きなど,商魂逞しい,けれどもそれなりに楽しい風習があります。恵方巻きなどというものは,鹿児島ではかつてはなかったように思われますが,コンビニなどの影響で,最近はかなり浸透してきたようです。

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 今朝6:40頃目が覚めた時,寝室の窓から見える外はまだ薄暗く感じられました。平日だととっくに出勤している時刻ではありましたが。まだ早すぎるなと思って,再び布団に潜り込むと,再び目が覚めたのは1時間後の7:40でした。しまった。老犬は昨夜私が牧之原から帰って来ているのを知っています。急いで,玄関を開けて庭へ出ると,案の定老犬は待ちくたびれた様子で,居間のガラス戸の内側の障子を窺っています。耳が聞こえないので,老犬の後方の玄関が開いたのには気が付いていないようです。こっそり近づき,このままでは歩きにくかろうと,老犬の緑のジャケットを脱がしてやると,老犬はこちらに「遅いよ!」と非難するような一瞥を送ったかと思うと,一声およそ犬とは思えないような歓声を上げ,すたこらさっさと家の敷地の外へ駆けていきます。すぐに引き返して来るのが,散歩前のセレモニーなのですが,老犬はいっこうに帰って来ません。文庫本をポケットに入れ,リードとふんキャッチャーに加えて,手袋を用意するのに手間取ってしまいました。冬の朝としてはごく標準的な気温で,さほど寒いとも思われなかったのですが,手袋が目に入ったのがいけなかったのです。老犬は5分ほど経っても姿を見せません。以前2回ほどそのまま1人(1匹)で散歩に行ってしまったことはあります。でも,大抵は引き返して来て,リードを付けてもらうと安心してまた駆け出すのがお決まりなのです。今日はなかなか帰って来ません。敷地と道路の境辺りまで歩いてみましたが,老犬の姿は見られません。すると,だんだん腹が立ってきました。勝手にしろ!そのうち帰って来るさ。家の中に入り,朝食を先に食べることにしました。10分ほどで朝食を済ましても,庭に老犬の姿はありません。仕方ないな。リードとふんキャッチャーを手に持ち,今度は手袋をせずに,老犬を追うことにしました。老犬は道路の真ん中付近を歩くこともあるので,車に轢かれているかも知れない,あるいはよろけた拍子に溝に転落しているかも知れない・・・。敷地から道路に出たところで,隣の老婦人に会いました。老婦人はちょうどバイクで出かけるところでしたが,いつもの犬が一緒にいないのに気が付いて,「犬はね?」と尋ねてこられます。「どこかへ行ってしまいました。」苦笑するしかありません。「ははは・・・。」と笑いながら老婦人はバイクを走らせ,カーブを曲がったところで,実際には聞こえなかったのですが,「おらんよ。」と言うようにこちらへかぶりを振られます。老犬は大抵決まったコースを歩くので,逆からたどることにしました。そのうち前方から老犬が姿を現すだろう。やがて比較的交通量の多い県道へ出てしまいました。さすがに老犬は1人(1匹)ではここまで来ないだろう。でも,先週久しぶりに2人(1人と1匹)で,この県道を歩き桜公園までたどり着いていたのです。ひょっとしたら・・・。すると,県道を前方からホンダのフィットらしき車がやって来ます。小学生の頃近所の友人の中に車が通過した直後に車種を言い当てる名人がいました。こちらは,バスと乗用車の区別ぐらいしかつかないので,それが合っていたのかどうかは定かではありませんが。それはともかく,「フィット」がこちらへ接近してきながら,次第に速度を落とし始めます。知り合いかなと思って目を凝らしますが,視力の悪い私には判別できません。「フィット」は完全に停車することなく通り過ぎて行きました。勘違いだったんだ・・・。ところが,その「フィット」が引き返して来て,今度は完全に停車します。「犬を探しちょらっと?(探しているのですか)」と50歳くらいの私と同じ年くらいの男性が聞いてこられます。一瞬嫌な予感がしました。「30分くらい前に,1匹の犬がびっこを引きながら向こうへ歩いて行きましたよ,首輪を付けて・・・。」老犬は生きている!桜公園だ!ありがとうございます。何度も頭を下げて,桜公園へ向かって,歩みを速めます。「フィット」も桜公園へ向かい,そこでUターンして私の傍を再び通過して行きました。ありがとうございます。そう言いながら何度も何度も頭を下げました。田舎のおじさん,おばさんの,どちらかと言うとおばさんのやり方です。老犬が無事であるということを知った安堵感もあり,一人おかしくなって笑ってしまいました。果たして老犬は桜公園の芝の上をとぼとぼと歩いていました。この野郎,心配させやがって!耳の聞こえない,そして私と同様いや私以上に目の悪い老犬は,近くまで行っても私に気が付きません。2メートルくらいまで接近してようやく「お前はどこへ行っていたんだ?」みたいな顔をして,こちらへ向かってきます。老犬のためにポケットに入れて来たササミ・ジャーキーみたいなおやつを手でちぎってあげました。老犬は2口食べると,桜公園の外へ速足で歩いていきます。老犬は元気です。間違いなく一頃より元気になっています。まだポケットには残っているんだけどな。そう思いながら,リードを手に持ち老犬の後に付いて行きます。老犬はいつもの道をいつものように当然のごとく歩いていきます。途中何回かポケットの中のおやつをちぎってあげると,まだ持ってたの?という顔をして喜んで食べます。老犬と歩いていると,森の方から鶯の声が聞こえてきます。もちろん老犬の耳には残念ながら届いていないでしょう。それにしても,明日の立春を前に勇み足でしょうか。まだまだ,春は名のみの風の寒さや,でしょう。鶯の鳴き声も,5月の頃の絶好調時に比べると,まだまだ仕上がり不足は否めません。これから少しずつ練習を積み重ねて,完全に春になったらあの美しい声を聞かせてくれるはずです。まだ試運転のつもりかも知れませんね。自宅に帰り着くと,老犬の朝食です。おやつは好きだけど,食事用のドッグフードの嫌いな老犬のために,ササミ・フレークか何かのふりかけを掛けてあげます。最初あれほど食い付きはよかったのに,最近そのふりかけにも飽きたのか,完食はしなくなりました。それで,昨晩牧之原からの帰りにスーパーで購入した豚肉か何かのおやつと食パンの耳をあげます。こちらは大好きです。人間の朝食のように,パンとお肉を交互にちぎりながらあげます。家人は言います。「コロが生きてて良かったね。もし死んでいたら昨日買ってきたドッグフードは全部あなたが食べないといけなかったのよ。」と。・・・。

 『老犬コロの繰り言その73』です。恵方巻きは,多分老犬も好きだろうと思われます。外側の海苔には多少抵抗はあるかも知れませんが,老犬のことですから構わず食ってしまうんじゃないでしょうか。家人は,恵方巻きを私と老犬で両端から囓れと言います。食べることになると,冷静さを失う老犬ですから,私の鼻もろとも囓ってしまうのではないでしょうか。いや,こちらから囓ってやろうか・・・。

 
老犬コロの繰り言その73
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 節分じゃと?全く人間と来たら,いろいろなことを考えつくのお。旦那の家族はおかしなことに,初詣には行かないくせに節分の豆撒きは真面目にやっておるようじゃ。子どもたちが巣立っていった今でも奥様を中心に豆撒きをしておるんじゃ。この家では,奥様が絶対権力を握っておるからのお。奥様が一人で玄関へ行き,豆を撒き始めるので,仕方なしに旦那も後をついて行くんじゃ。奥様が撒いた豆を旦那は健気にも拾うんじゃ。奥様は年の数だけ拾って食えと言う。ここまで来ると,旦那が不憫じゃ。56個!とても年の数だけ食えるものではないようじゃ。おかしな夫婦じゃ。まあ滑稽と言えば滑稽じゃ。わしに任せてくれれば,56個くらいすぐに食ってやるのじゃが・・・。何?わしの場合,14個じゃと?何をふざけたことを言うておるんじゃ。落ちた豆全部食ってやらあ!じゃから,庭にも投げてくれよ・・・。

 ところで,先日初詣の話をしたが,旦那には亡き親父さんとの忘れられない想い出があるようじゃ。旦那の親父さんという人は,若い頃は気が短く厳しい父親だったようじゃが,旦那は末っ子のせいか,余り怒られたことはないそうじゃ。旦那の記憶に残る親父さんは,今の旦那と性格はちと似てるかも分からんが,余り多くを語らずニコニコしている人じゃったらしい。旦那が中3になるまで,冬場は大阪や愛知などへ出稼ぎに行ったようじゃが,お土産のようなものは一切買って来ない人だったようじゃ。もちろん旦那はそれが当たり前じゃと思っとった。じゃから,旦那は親父さんには殆ど何も買って貰ったことはないし,どこかへ遊びに連れて行ってもらったこともなかったそうじゃ。ところが,たった1度だけ例外があったのじゃ。旦那がまだ前の家にいる頃,小学校に上がる前に,庭でいつものように地面に大きな絵を描いておる時じゃった。突然親父さんがやって来て,幼い旦那に対して親父さんのバイクの後ろに乗れと言ってきたらしいのじゃ。何回か親父さんの自動二輪のバイクの後ろには乗ったことはあったが,臆病な旦那はそれが怖くて仕方がなかったのじゃ。じゃが,珍しく親父さんから乗れと言ってきたので,どこへ連れて行くんだろうと思いながら,勇気を出してバイクの後ろに乗り,親父さんに必死でしがみついたのじゃ。何故かバイクは吾平山稜の方へ走って行った・・・。長くなってしもうた・・・。

 この続きはまたの機会に・・・。じゃ・・・。