2月18日(日)冥王星の日

公開日 2018年02月18日(Sun)

 2月18日(日)は「嫌煙の日」,「方言の日(奄美大島)」といろいろありますが,「冥王星の日」というのが一番気になります。1930年に発見された冥王星は,1913年作曲のホルストの組曲「惑星」の中には当然のことながら出てきません。それで,数年前現代音楽の作曲家コリン・マシューズが「惑星」の7曲目ということで,「冥王星」という作品を作曲しました。晴れて太陽系の7つの惑星の全てに音楽が作られたことになるわけで,そのような形での録音もいくつか出ています。ところが,つい最近2006年冥王星は惑星から準惑星へ格下げされてしまいます。コリン・マシューズの「冥王星」は惑星ではなくなってしまったわけですが,これから先ホルストの「惑星」に続けて演奏されることは減ってくるのかも知れませんね。2006年以前もそれほど「冥王星」は演奏されていたわけではありませんが,「冥王星」への熱意は低下するのでしょう。後は,「冥王星」という作品そのものの真価が問われることになりそうです。ホルストの「惑星」に比べると,多少現代音楽臭が強いのは間違いのないところですが・・・。

 『老犬コロの繰り言その79』です。老犬そのものの話題が尽きてきて,いよいよ老犬は語りに徹することになりそうです。殆ど最初からそうですけど・・・。今朝は昨日よりは幾分気温は低めですが,老犬は構わず一目散に走り出します。下り坂が終わり,道路に出てしまうと,がくっと速度は落ちてしまいます。気温が下がったせいなのか,今朝は鶯の声は聞かれません。その代わり,ヒヨドリたちの品のない,力強い声が元気を盛り返しています。遠くからは山鳩の声も意外と音量高く聞こえてきます。老犬の耳には,いずれも届いていないのでしょうけど・・・。

 
老犬コロの繰り言その79
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 先に述べたように,春さんは,お茶の水女子大学卒の才媛で,日常的に俳句もたしなむ知的な女性であった。じゃが,お年寄りによくあることじゃが,同じ話を何度も何度もされる癖があった。ある時,と言っても何回か同じ話をされたのじゃが,春さんの亡くなったご主人の話をされたことがあった。亭主関白でそれはそれは春さんに対して厳しい人であったそうじゃ。春さんはいつも陰で愚痴をこぼしたり文句を言っておられたそうじゃ。突然春さんは「主人はタイラントでした。」と思いがけない言葉を口にされた。旦那は一瞬何のことか分からなかったようじゃ。しばらくして,tyrant という英単語を思い出した。「暴君」ということじゃ。明治生まれの昔の男性は皆そうだったのじゃろ。旦那の父方のお祖父さんもそれはそれは厳格な人だったそうじゃから,旦那にはすぐにイメージが湧いたようじゃ。ご主人が亡くなる前にしばらく床に臥せてしまわれると,春さんはもうご主人の罵声を聞かなくて済むと思うと,肩の荷が軽くなったような,ほっとした気分になられたそうじゃ。ところが,息を引き取る直前になり,ご主人は春さんを枕元に呼び,「よく私に付いてきてくれたね。嫌な思いもたくさんさせて済まなかったね。」というようなことを言われたということじゃ。春さんはその時長年抱えてきた肩の重荷がすうっとすっかり下りていくような気持になったのじゃ。「これから結婚して,もし奥様に辛く当たられるようなことがあっても,死ぬ間際にはありがとうと仰るんですよ。すると,女は苦しいことは何もなかったような幸せな気持ちになりますから・・・。」と冗談ともつかぬことを春さんはにこにこしながら旦那に言われたそうじゃ。毎回毎回同じことを・・・。でも,旦那は毎回辛抱強く耳を傾けてあげたのじゃ。じゃから春さんは旦那のことが大好きだったのじゃと思う。

 春さんは,毎晩8時頃まで居間で旦那と話をされると,床に就かれたそうじゃ。旦那は春さんが寝室へ引き上げた後も,しばらく居間でテレビを見たり,隣のお風呂に入って我が家同然の生活をしておったんじゃという。隣に住む息子さんは,おそらく春さんのご主人に似たのじゃろう,そんなに愛想のいい方ではなかったようじゃ。旦那が初めて顔を合わせた時,庭で何か焼いておられたようじゃが,「よろしくお願いしますね。」と少しだけ顔を緩めて言われたのじゃ。春さんはそれを見て,「あの子が笑ってあのような口を利くとは。」と驚かれたということじゃ。旦那は殆ど王様状態の生活をしておったが,息子さんの反応は気になっておったらしい・・・。

 この続きはまたの機会に・・・。じゃ・・・。