2月20日(火)鹿児島県下一周駅伝4日目・・・

公開日 2018年02月20日(Tue)

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 2月20日(火)鹿児島県下一周駅伝の4日目です。空には雲が一面に広がっていて,地面には昨日の雨が残した水溜まりがあちこちに見られます。でも,今日は雨の心配はなさそうです。午前9時に1区が国分南中学校をスタートして,9時40分過ぎには第一中継所の牧之原運動公園を通過する予定です。福山高校の目の前の県道をランナーたちが走っていくこともあり,急きょ生徒全員で応援することになりました。牧之原小学校の子どもたちや地域の方々と一緒に沿道の歩道に生徒職員全員並んでいると,予定通り9時40分過ぎに先頭の日置チームが通過します。ランナーの頑張っている姿を見ると,もはやどこのチームであろうが関係ありません。みんな一斉に拍手をしながら応援を始めます。福山高校はもちろん姶良地区にありますので,基本的には姶良チームを応援しますが,中には曽於地区,肝属地区在住の生徒もいます。それぞれの生徒がそれぞれの思いを胸にランナーに拍手を送ります。いつの間にか,陽も差すようになり,ランナーたちの頑張りを後押ししているようです。寺田事務長の出身地の熊毛チームが比較的上位で走ってきて,事務長もご機嫌です。12チームの全てのランナーが十分に力を発揮して欲しいものです。頑張れ,駅伝ランナー!(^^)/

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 夕方,久しぶりに鹿児島市民文化ホールまでコンサートに行ってきました。毎年行われる日本フィルハーモニー交響楽団の九州公演の一環で,指揮者は井上道義氏です。サンシャインこと地歴公民科の德丸先生の車で鹿児島へ向かいましたが,德丸先生がチケットを学校に忘れるという面白いハプニングがありました。途中まで保健体育科の大迫先生に届けてもらい,何とか演奏会には間に合いました。大迫先生,ありがとう。コンサート会場に足を踏み入れるとすぐに指揮者の井上道義氏のプレトークが始まり,結果的には絶妙のタイミングであったと言えるでしょう。井上道義氏と言えば,30年ほど前はテレビへの露出も多く,愉快なお喋りで有名な方でした。ちょくちょくCDは出ていましたが,最近マスメディアへの登場が少ないなと思っていたら,昨年NHK交響楽団の定期公演で見事なショスタコーヴィチを振っているのをテレビで見ました。生意気ながら,素人ということで乱暴な発言をご容赦いただければ,上手に年を取られたという印象を強く持ちました。もう70歳を越えていると思われますが,語りそのものは30年前と少しも変わりません。根暗の当方としては,お喋りなんかいいのに,と思うのですが,氏にとってそれも大切な演奏会の一部なのでしょう。ユーモラスな語りとは対照的に井上氏の指揮そのものは鬼気迫るものがあり,薄っぺらなスタンドプレイなどとは全く無縁なのです。

 1曲目のベートーヴェンの序曲「コリオラン」は,氏がプレトークで話していた通り,響かないホールに合わせたような切れ味鋭い演奏でした。氏はベートーヴェンにはこのようなホールの方が適していると言います。でも,もう少し響いてもいいのかなと感じられました。2曲目のモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番は初めて聴く山根一仁さんのヴァイオリンが素敵でした。カデンツァ後半の弱音の雄弁さが特に印象に残りました。もちろん作品全体を通じて山根さんのヴァイオリンの美しさはまさに一流の証です。アンコールはバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタからでしょうか,ここでもしっとりとしてそれでいて凜とした佇まいが見事でした。

 前半でどちらかと言えば,だぶついた宣教師崩れのような黒の衣装を着ていた井上氏が,メインであろう後半のベートーヴェンの交響曲第7番では同じく黒のちゃんとした(?)燕尾服に着替えて登場しました。自分だって燕尾服ぐらい持ってるんだぞ,ということが言いたかったのでしょうか。まさか・・・。気合いの入った交響曲第7番が聞こえてくるかと思いきや過度な力感の強調はなく,比較的すっきりとした,特にフルートやオーボエ,クラリネットなどの木管独奏の美しさが際立つ素晴らしい演奏でした。第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが対向に置かれた,最近再び増えてきた先祖返りした配置で,両者の掛け合いが面白く,数えてみると両方とも8名ずつの比較的少人数編成の演奏です。収容人員800名かそこらの小さな第2ホールということも関係しているのでしょうが,井上氏が語っていた通り,200年前の初演当時に近い演奏が聴けたのかも知れません。木管だけでなくクライマックスでは金管の響きが圧倒的です。日本フィルハーモニー交響楽団も今や日本いや世界トップ・クラスの実力と言っていいでしょう。アンコールのフォーレのパヴァーヌは前半だけの演奏に終わったのは残念でしたが,ここでもフルートの響きが素敵でした。德丸先生も心配された「ブラボー!」という品のない絶叫を発することもなく,しみじみと感動を噛みしめていました。素晴らしい演奏会でした。日本フィル,山根さん,そして井上さん,ありがとうございました。

 井上道義のベートーヴェンは素晴らしい。次は,是非ショスタコーヴィチを聴かせて欲しいと思います。